
無人戦闘機(無人戦闘機械=ドローン)について皆さんはどれくらいの事をご存知かわからないが、ここでは一般的な常識を再度確認することからはじめよう。
-無人戦闘機の戦闘はリアル『バーチャロン』-
バーチャロンというアーケードゲームをご存知だろうか?
ゲームセンターに設置されている、実際にコックピットに乗り込むスタイルのロボット戦闘ゲームだ。
無人戦闘機の戦闘はまさにアレである。
無人戦闘機はネットワークによって、米国本土の基地内から操作される。
もちろんコインは必要ない・・・これはかつての「湾岸戦争」以上の衝撃である。
『戦争のゲーム化』という言葉をこれほどふさわしい兵器は存在しない。
-無人戦闘機械は先進国に有利な『革命的兵器』-
無人戦闘機械の最大のメリットは「人員デフレ」である。
これはつまり、「人命デフレ」と言い換えても良い。
無人機のリスクは「安価で高性能なこの機械がテロリストに渡れば…」という形で語られることが多いが、それは幻覚(あるいは意図して張られた煙幕)であろう。
無人機の配備やその運用が確立すると、もっともトクをするのは先進国である。
これまでは『人命の値段の違い(つまり自国民の兵士の経済的・政治的コストの違い)』が、障壁となっていたが、無人機での戦争が日常化するとその障壁は消滅してしまう。
無人機での戦闘で失われるのは経済的コスト、つまりお金だけだ。
ドローンが落とされても、パイロットは地球の裏側で「GAME OVER!」の表示を見るだけで済む事になる。
現在アメリカで制式採用されているドローンが約7億円、中国の無人機が1億円と言われている。
これは安価とは言えないが、3年前に数百機だったアメリカの無人機部隊が現在1万機を越す規模になっていることを見ればこの技術がいかに革新的で、安価であるかがわかるはずだ。
この技術の進化は、19世紀のように先進国の優位性を絶対化する可能性がある。
民族や国家が自らの意思を示しても、武力介入が『金』だけで済むのであれば、より大きな経済主体(それはもちろん先進国であろうし、あるいは巨大企業かもしれない、グローバル企業が傘下に民間軍事会社を持つことを止める法は無いだろう)には「生殺与奪」の権利を握られる未来が実現するかもしれない。
(19世紀の当時は人命(人員)の経済的・政治的コストは現在ほど高くなかったため、実際の利益はそれほどでも無くても列強諸国は帝国主義をとり各地に介入を行った)
ちなみにはじめにふれた『バーチャロン』でははじめにこういった設定がつけられていた。
『プレーヤーはゲームをしているつもりでも、未来に実際に存在しているバーチャロイド(ロボット)を遠隔操縦しており、無自覚のまま戦場に投入されている』というもの、そしてこのコンソールを設置したのは『未来の巨大企業』となっていた。