【青井浜】
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青井荘は青井浜という浜に立っている。
小さな砂浜で、すべてが手に取るような範囲にすべて収まっている。

青井荘は1軒の海の家と海の家に付随する宴会場、そしてペンション形式の別棟。
宴会場の反対側に1軒の宿泊目的の別棟があり。

さらにその裏には青井荘が所有する民家が存在する。


青井浜はまだ暗く、海は彼方まで広がっているかはわからなかった。

しかし、特異な景色が広がっているのは良くわかった。

土がむき出しの崖、そしてその上に少し木が茂り、反対側も切り落としたように崖。
ジュラシックパークか、グランドキャニオンかという景色。
この島は人類、日本人によって何百年も削り続けられた島なのだ。

自然の景観とは言えない景色だが、単に人工物ということもできない風景。
自然と人間の合作による奇景だ。

もちろん単純に自然破壊ということもできるだろうが、しかし、心惹かれる風景。
巨大な質量と斬新なコントラストが変化に富んだ景色を作り出している。


瀬戸内海の青、そして緑、さらにむき出しの土が示す黄色。

青・緑・黄のトリコロールが男鹿島の色だと言える。

青井浜パノラマ

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【海】

海を見たらとりあえず波打ち際に立ち、沖を眺める。
これは一種のパターンであろう。

ステレオタイプに浸りながら満足感を感じる。


しばらく砂浜散策していると、宿の人が何かの話をしている。
別のお客さんからの注文を確認しているようだ。

「サザエが10コ、あわびが3コ…」

き〜さんはその宿の人について宴会場の横についている薄暗い部屋の中に入っていく。

そこに友とまんさくさんも入っていったので、俺もついていく。


薄暗い部屋にはいくつもの生け簀があり、横の水槽にはサザエやあわびが沈んでいた。

モーター音が響き、海水を生け簀へと供給しているのがわかる。


生け簀にはハゲや蛸、鯛、平目などが泳いでいた。

青井荘は海の家だが、同時に漁師の宿でもある。
朝取れた魚がこうやって蓄えられている。

き〜さんが「ハゲは旨いよ」というと、宿のおやじさんが「いやー、今はどうかなぁ〜…時期が少し外れてるから肝がないで。」と答えた。

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とりあえず小屋を出る、一仕事負えた気持ちになり、砂浜のパラソルで一服することになった。

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【バイト】

さて、先にも述べたがき〜さんはこの宿で25年ほど前18歳の頃にアルバイトをして、そこからご縁が始まったのだが…。

「おー、えぇ〜とこに居たわー。ビールのグラス、10人分もってって。」

おでんを選んでいるとき〜さんが臨時のバイトに借り出される。

とりあえずおでんを選び、パラソルで待つ。
ビールはとりあえずアサヒを。

カンパイをしてしばらく話しているとまた海の家から声がかかる。

「刺身ができたでー、もってってー」

き〜さん刺身を受け取り宴会場へ、そして席に戻るとまた。

「刺身ができたでー」

き〜さんが戻って来ないまま海を眺める。

おでんが旨い。

残念ながらビールはパスで、生茶を注ぐ。


き〜さんが幾度か厨房と宴会場を往復しているのを横目に海を眺めていると。

「これ飲んでや」と宴会場のお客さんがキリンを差し入れしてくれた。

き〜さんの労働に対する報酬だろう。
「あ、ありがとうございます」き〜さんは戻っていない、なんとなく居心地の悪い感じを受けながらビールを受け取る。


しばらくしてき〜さんが戻って来た。
事情を話す、き〜さんは苦笑しながら席に着いた。

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<男鹿島偵察記もくじ>
全編一括版
分割版
1:出発 2:上陸 3:海 4:青井荘のオススメ 5:青井荘の設備紹介 6:探検 7:脱出